企業変革 連続小説 「Break your shell」 41
■ついに勃発
街の寒さは徐々に緩んで、先月までの寒さをもう忘れたかのようだった。
今年は暖春だと天気予報でよく耳にする。それは街の至る所に見える桜の木の枝を見ればわかった。今週末にも開花するだろう大きなつぼみがいくつも見えた。
「やあ、丸山君。今日からですね。よろしくお願いします」
コートを脱ぎながらロビーに入ってきた丸山を水戸が迎えた。丸山の他に若い男性もいる。彼のほうはコートは着ておらず、さわやかな色合いのネクタイを見る限り既に春モードのようだ。
「初めまし..