企業変革 連続小説 「Break your shell」 13

■江の島合宿 12月に入ると寒さは一段と厳しさを増してきた。 この時期、太陽リフォームの役員たちは、次年度の事業計画作成のための合宿を行うのが通例だった。場所は江の島。金曜日朝から土曜日お昼過ぎまでの一泊二日の集中検討会だ。(一部の従業員からは「年末慰安旅行」と言われているようではあるが。)集中検討会には役員全員と、世話役として小泉と秘書が同行している。 仲見世通りにある旅館は…

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どんどん安くなる戦法

とあるお店のポイントカード。 ------------------------------------------------------- 1回1000円の食事で、1つのハンコを押してもらう。 10回目で500円割引券。 20回目でお好きな料理一皿サービス。 30回目で店舗オリジナルプレゼント ------------------------------------------…

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企業変革 連続小説 「Break your shell」 12

■実にたいそれた作戦 7階の営業管理課では個人別受注表の集計が行われていた。7階は営業管理課と広報課があって15席の机が配置されており、その全体を見渡せるような配置で窓を背にして本部長席も置かれていた。山本がそこに座って資料に目を通している。 「加瀬君、片山課長は?」 「席を外しています。5分もすれば戻ると思いますが」 「あ、いいんだ。営業成績の集計はどう?」 「今月の3週目分…

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企業変革 連続小説 「Break your shell」 11

■再び、机の上の書類 役員室の机にレポートが数枚とA1用紙1枚が置かれていた。 「水戸君、お前が焚きつけたな」床井の目は笑っていた。 「いえ、私は何も」 「彼らはこのままじゃこの会社は危ないって思ってるんだな?」 「そうですね。市場動向も自分の会社の経営数値もそこそこ理解していますし、もちろん現場の問題を十分把握していると思います」 「その問題がこれか・・・」 山本がA1用…

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企業変革 連続小説 「Break your shell」 10

■A1用紙1枚の成果物 会社の現状を考える会は、予定していた最後の会を向かえていた。2カ月間にわたって、合計8回目となる。メンバーたちの議論は、問題の定義、個別の問題の洗い出しとその整理、ロジックツリーを使っての問題の深堀、さらにはフィッシュボーン図を用いての原因分析などの形となっていた。いずれもミーティングンの最中に加瀬が手際よくまとめた資料だ。 そしてひときわ目立つのがA1用紙1…

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企業変革 連続小説 「Break your shell」 09

■思えばそれが初めての変化 5回目の会社の現状を考える会では、テレビ会議システムが設置されていた。遠方の店舗の有志メンバーも資料を共有しながら議論に参加することができた。 「平野さんが稟議の添付資料を書いてくれました。投資対効果もきちんと書いてね。山本本部長が承認してくれたし、専務も社長も一発OKでした」 「水戸さん、どんな手品を使ったんですか!? 情報システム部が協力的だなんてビック…

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企業変革 連続小説 「Break your shell」 08

■男同士で景虎 監査業務で情報システム部と関係することは少なくない。情報システム部長は会計システムを入れた会社から一時的に出向で来ており、実務は全て平野が仕切っていた。監査業務の対応はいつも平野が窓口になってくれている。 「平野さん、ちょっと今日時間もらえます?」 「あ、水戸室長。ひょっとして抜き打ち監査?」 「いえいえ、今日は監査じゃないんですが、たまには一杯どうですか?」 水戸…

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企業変革 連続小説 「Break your shell」 07

■隠れた風土 翌週金曜日の20時過ぎ。さすが名乗りを上げて参加しているだけあって、会社の現状を考える会の議論は活発だった。2回目の検討会は、活気の塊そのもののような気がした。 水戸があれこれ言うまでもなく、参加者全員がお互いの意見をぶつけていた。 「状況の確認のために、店舗の営業事務に電話をかけて確認するんですけど、結局営業や工事担当が店舗に戻ってくる夕方までわからないんですよ」 「…

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