社長は従業員は使えないと思い、従業員は社長を馬鹿だと思っている

「社長は従業員は使えないと思い、従業員は社長を馬鹿だと思っている」 これ、赤字から抜け出せない企業ではよくある話です。 ワンマンカリスマ経営者であった前社長が体調をくずされ、その後思うように体が動かずに、急遽息子が社長となってしまったのが、3年前。慶○大学卒業の息子は自頭のその3年の間、経営を一生懸命に勉強していたそうで現場や営業や経理のことは、一通りわかっていると言う。 …

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従業員の名前公開戦法

とあるサイトで買い物をして、商品と共に納品書が同付されていました。それば別に珍しいことではないし特別なことでもありません。少しだけ「おっ」と思ったのはここです↓ 従業員と思われる方の名前が押印されています これポイントです。何のポイントかというと「従業員の責任感」です。 赤字が続く中小企業が再生を誓うとき、つまり黒字化を目指そうとするときは、すでにご…

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企業変革 連続小説 「Break your shell」 24

■スパイス 「あ、佐倉さん。今日は大丈夫なんですか?」  その日の打ち合わせには1週間振りに佐倉が顔を出した。 「ええ、今日は大海課長がなんだか違う人みたい。『プロジェクトのミーティング行って来い』って。びっくりしちゃったわ」 「珍しいこともあるもんだ」酒井が驚いた。 「今日午前中に私と万田係長それに下の子が3人呼ばれて、言われたの」  その内容はこうだ。 大海が佐倉の後輩…

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企業変革 連続小説 「Break your shell」 23

■殿様のプライド 「大海課長、今帰りですか? はあっ、はあー」 すっかり葉が落ちて裸になった銀杏並木の下を水戸が走ってきた。ベージュのコートを着た大海の後姿を見つけたからだ。 「ああ、そうだが。どうしたんだね? 水戸室長」 水戸の息は少し切れていた。ちょっと待ってと手を挙げながら呼吸を整えた。 「四十にもなるとに短距離走っただけでもつらいですね。はあー」 「で、何か用かね?」 …

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企業変革 連続小説 「Break your shell」 22

■モンスターが現れた  プロジェクトの会議に参加しようと席を立つ佐倉を、大きな声が呼びとめた。 「おい、佐倉。月末はこっち優先してくれよ。塗装の職人手配が間に合って無いんだ。電話が繋がらなくてな」  施工業者の手配は工事管理課の仕事になっている。リフォーム案件については徐々に商談のステップを進めていき、契約が見込まれる時点で施工業者の確保を行う。しかし塗装案件については、1、2回の商談…

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企業変革 連続小説 「Break your shell」 21

■目標は定まった 「分類は5つになりましたね。情報共有の『share』、効率化と無駄をなくすで『simple』、業務スピード向上の『speed』、透明性の『clear』、柔軟の『flexible』です」  加瀬がいつものようにパソコンを操作して、水戸が配布したビジョン作成ワークシートに記載された内容をプロジェクターで映した。 「これらの5つのキーワードを意識してみんなでまとめてみたのが…

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企業変革 連続小説 「Break your shell」 20

■原石の発掘 <さすが元コンサルだな、このフォーマットとサンプルで人を動かすんだなぁ> 加瀬は水戸から受け取った用紙を基に、Excelに文字を記入していた。 1枚に3つの枠が横に並んでいる。左には次年度の方針が書かれていて、真ん中は「関連する課題」、右は「課題実施後のイメージ」となっている。右のマスは細く破線で仕切られている。左と真ん中は、マス同士を線でつなげるようになって…

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企業変革 連続小説 「Break your shell」 19

■偶然なのか、それとも必然か 「さて、皆さん。風土改革プロジェクトマネージャーの水戸です。改めましてよろしくお願いします」 「よろしくお願いします」 会議室に集まったプロジェクトのメンバーがそれに元気に応えた。水戸がプロジェクトマネージャーを務めるチームは全部で6人。水戸、酒井、加瀬、佐倉、石沢、石井だ。 「まさかこのメンバーになるとはね。すごい縁ですね」 全員が会社の現状を考える…

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