企業変革 連続小説 「Break your shell」 41

■ついに勃発 街の寒さは徐々に緩んで、先月までの寒さをもう忘れたかのようだった。 今年は暖春だと天気予報でよく耳にする。それは街の至る所に見える桜の木の枝を見ればわかった。今週末にも開花するだろう大きなつぼみがいくつも見えた。 「やあ、丸山君。今日からですね。よろしくお願いします」 コートを脱ぎながらロビーに入ってきた丸山を水戸が迎えた。丸山の他に若い男性もいる。彼のほうはコートは着…

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企業変革 連続小説 「Break your shell」 40

■全体の巻き込み 「佐倉さん、⑪番の実行施策、サブメンバーとの検討会の段取りはどうなってますか?」 「はい、全部の課と打ち合わせ日程は組み終わりました。まずは明後日、人事課からスタートします。各課の役職ごとに求められる能力を洗い出してもらえるように記入フォーマットを配布しています。ですが、ちょっとわかりづらかったのか、ほとんどの課から質問が来ています」 「そうだね、サンプルは工事管理課…

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1.1=1だけど、1+0.1>>1になる戦法

日本の会社に共通した”すごいところ”を聞かれれば、私は必ず「商品レベルの向上を断続的にやる」ところを挙げたくなります。 例えば家電。毎年毎年新しい商品が出てきて、昨年のモデルと何が違うの?と思ってしまいます。店員さんに商品説明を聞いたり、カタログを見たりすれば 「へぇ、確かにその改良はいいかも」 と確かに感じます。 ただ、メカに弱い私は、10年前のモデ…

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企業変革 連続小説 「Break your shell」 39

■響くのはお客様の声 「石沢さん、お久しぶりです」 大宮店では、後輩営業が石沢を取り囲んでいた。 「おお、みんな元気? 調子はどう?」 「石沢さんのエリアをみんなで分担して営業していますよ。お客様から『今日は石沢さんは?』なんて聞かれたりしますので、その都度事情をお伝えしてる状況です。石沢さんから引き継いだ商談中のお客様はそのまま契約して頂いたりと、数字はまあまあ取れてますね」 「…

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企業変革 連続小説 「Break your shell」 38

■たかが「さん」、されど「さん」  翌朝、始業時間の1時間前、太陽リフォームの従業員通用口からエレベーターに続く廊下の途中に加瀬と石井、それにサブメンバーである工事管理課の若手である小西の姿があった。従業員が通用口を通ると3人の声が大きく響いた。 「おはようございます。森田さん!」 「おはようございます。片山さん!」 「おはようございます。竹中さん!」  さっそく「さん付け運動」が…

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企業変革 連続小説 「Break your shell」 37

■スーパー事務局  フューチャーコンサルティングの営業と丸山が帰っていった。WBSで見ると丸山は2週間後からプロジェクトに合流することになっている。今日からここに駐在する黒谷とプロジェクトメンバーを残して、関係者が会議室を退室した。 「さあ、明日から心を新たに頑張りましょう。手始めは『さん付け運動』です。加瀬さん、石井さん。宜しくお願いしますね」 「まかせてください! 明日にメールで通…

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誰に買ってもらいたいのかを明確にする戦法

消臭スプレー、一家に何本あるでしょうか? 下手したら部屋に一本おいてあるのではないでしょうか? それとも用途別に買い分けていたりする人もいるかもしれません。実際お友達の家には、ファ○リーズの除菌&消臭スプレーが何種類かありました。 でも、ちょっとまてよ…。 この商品、中身はどう違うのだろうか? パッケージを見る限り、赤ちゃん用のもの、男性用のもの、他にも違うパッケージの商品が…

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企業変革 連続小説 「Break your shell」 36

■キックオフ  キックオフの会場に40人近く従業員が集まっていた。正確に言えば34人と3人だ。太陽リフォームの役員5人に、風土改革プロジェクトメンバー5人。それぞれのタスクのサブメンバーとして、事前の依頼で各部署からアサインされたサブメンバーが15人、サブメンバーの上司である部課長、店舗の店長が9人。それにフューチャーコンサルティングの営業に丸山、黒谷の3人だ。  ざわめきの中に、シ…

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