【第11回】 売掛金、棚卸資産、買掛金計画の立て方

第10回までの解説で、PL(損益計算書)の作成として、まだ支払金利や保証料などの解説を残していますが、BS(貸借対照表)の作成の解説に移ります。

売掛金と棚卸資産、買掛金の計数計画です。この科目だけを切り出して個別に計数計画として提示することはありませんが、私の場合は、BS(貸借対照表)を作成する場合、まずここから取り掛かります。

受取手形や売掛金の回収期間や、製品の必要在庫量などは、意図的に変えていかないと同じビジネスを継続しているうえでは、あまり変化のない数値(額ではなく、売上高などに対する”率”)になるはずです。ですので、その部分に着目して、計画期間中の数値を計算します。

具体的には、基準となる年度のそれぞれの科目の回転期間を求めます。算式としては、売掛金でしたら、基準年度の売掛金の数値が、基準となる年度の月商(年商でもOK)の何倍に相当しているか、これを求めています。

例えば、基準年度の売掛金が5000万円、年商が3.6億円だとしましょう。この場合は、5000 ÷ 36000 = 0.139となります。この0.139を変わらない値として、計画年度の各売上高に掛け算していきます。計画1年目の売上高(年商)が4億円なら、売掛金は 4億円×0.139=5556万円となります。

意図的に回収期間を早める施策を実行するなど、基準年度の回転期間だけで決まらない場合はその内容を反映させましょう。

受取手形、製品・材料などの棚卸資産、前払費用、売掛金も同じ考え方で計算することができます。


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