アイデアが次から次へと頭に浮かんでくる人が身近に存在します。新商品、新機能、新ビジネスモデル、どうしてそんなに斬新な発送が生まれてくるのだと不思議に思います。きっと持って生まれたセンスなのだろうなと。。。そういう方々に、アイデアを生み出すコツを伺ってみると、決まって同じ答えが返ってきます。
”アイデアを生み出すのはセンスではない。”
「へぇ~。じゃあ何ですか?」
そう聞きたくなりますよね。ええ、私も聞いてみましたよ。もう十年も前になるますが、とある雑誌の編集長で、いろいろな企画を産み続けるAさんは、次のように答えてくださいました。今でもしっかり記憶していますよ、Aさん。ありがとう~!
「情報と経験を料理する」
「!?!?!? あの~、もうちょっと凡人にもわかりやすく…」
焼き鳥の皿が串だけになったのをじっと見るめるA氏。私に焼き鳥をおごれと言っているのだろうか。。。好物のハツと軟骨をお変わり注文し、回答を促しました。
「オズボーンのチェックリスト法っていうのがあってね…」
そう言って、ハツと軟骨とビールを交互に口にして、雄弁に語ってくれた内容をまとめると以下の通り。
(SCAMPER法というものもあるようですが、似たようなものなので省略)
オズボーンのアイデア発想法
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1.転用
新しい使い道は? 他分野へ適用できるか?
2.応用
似たものはないか? 何かの真似はできないか?
3.変更
意味、色、働き、音、匂い、様式、型を変えれないか?
4.拡大
より大きく、強く、高く、長く、厚く、頻度を拡大できるか?
5.縮小
より小さく、軽く、弱く、短くできないか?
省略や分割できないか? 減らすことができないか?
6.代用
材料を、人を、物を、製法を、場所を代用できないか?
7.再利用
要素を、型を、配置を、順序を、因果を、部品を変えたりできないか?
8.逆転
反転、前後転、左右転、上下転、順番転、役割など逆にできないか?
9.結合
合体できないか? ブレンドできないか?
ユニットや目的を組み合わせたら?
という考え方のルールに、自分のもっている情報や経験を当てはめてみるのだそうです。
例えば・・・
①機能性めがね
「転用」で違う使い方ができないか?
当たり前だった「視力の矯正」という目的を変えてみる。「悪くならないようにする」ため、つまり予防の目的でどういうもアイデアがうかぶだろうか? 今では職場等で使っている方も少なくない、「ブルーライトカットメガネ」なんかがそうだろう。
②500mlのペットボトル。
「縮小」によって小さくしたらどうなる?
ちょっと喉が渇いたけど一度には飲みきれない。バッグに入れるとかさばる、なんていう人がいればきっと売れるかな~とか。
③キャンプ用のテント
「変更」でイメージを変えられないか?
最近「グランピング」というジャンルの贅沢キャンプが流行ってます。グラマラス(glamorous)とキャンピング(camping)を掛け合わせた造語なのですが、アウトドアの質素な感じが主流のイメージを、「豪勢」に変えられないか? という発想から生まれたみたいです。
こうやっていろいろ考えるとのことです。つまり、オズボーンのチェックリスト法という基本レシピに当てはめてみて、いろいろな料理を作るのだそうです。ただし、自分の持っている情報や蓄積された経験が乏しい、すなわち、料理の具材が少ないと、レシピにも限りがあるとのことで、やっぱり情報収集、経験を増やしていく努力も怠ってはいけないとのことです。
さて、冒頭紹介した写真は、⑨の結合で生まれた商品ですかね~。
コラーゲンも岩盤浴も、それ自体に真新しさを感じるわけでもないですが、組み合わせてみると、なんか意外性というか、「そうくるかぁ~!」的な関心が生まれたりします。実際、コラーゲン岩盤浴、大好評らしいです。
新しいアイデアを生み出すのは、難しいわけではないのかもしれません。行動するかしないか、そちらののほうが重要かもしれません。