誰に買ってもらいたいのかを明確にする戦法

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消臭スプレー、一家に何本あるでしょうか? 下手したら部屋に一本おいてあるのではないでしょうか? それとも用途別に買い分けていたりする人もいるかもしれません。実際お友達の家には、ファ○リーズの除菌&消臭スプレーが何種類かありました。

でも、ちょっとまてよ…。

この商品、中身はどう違うのだろうか? パッケージを見る限り、赤ちゃん用のもの、男性用のもの、他にも違うパッケージの商品がいくつかお店にはおかれてたので、「用途が違うのだろうな、ということは成分も少し違うんだろうな」そう思っていました。

そこで、私は商品ラベルを覗いてみたのです。




成分:トウモロコシ由来消臭成分、除菌成分(有機系)
成分:トウモロコシ由来消臭成分、除菌成分(有機系)
成分:トウモロコシ由来消臭成分、除菌成分(有機系)
成分:トウモロコシ由来消臭成分、除菌成分(有機系)
成分:トウモロコシ由来消臭成分、除菌成分(有機系)


「なんだ、全部一緒じゃないっ

実は、これが販売のちょっとした工夫なのです!



商品を買ってほしい人をより具体的に設定し、その人のニーズに合わせた商品開発を行うことは、マーケティングの鉄則です。しかし、そのニーズに合わせていくつも作り分けするのは、生産の手間を増やします。商品自体が持つ機能が、どんな相手にも有用だからといって、買ってもらいたい相手(ターゲット)を「誰でもいい」としてしまうと、なんだか、魅力のない商品になってしまうのです。

そこで、このファ○リーズのように、パッケージだけを変えて、買ってほしい相手に具体的に訴求することで、相手の気をしっかりと惹くことができるのです。少なくとも私の友人は、きっと、がっちり気を挽かれたその一人だと思われます。

過去に行ったマッサージ屋さんのコンサルティングで、店頭で呼び込みの仕方を変えて貰ったら、それだけでキャッチ率がよくなったという事例を紹介します。

改善前「いらっしゃいませー。マッサージです。いかがですかー?」

改善後「スマホで疲れ目の方、目の疲れ取りませんかー、10分で気持ちよくなりまーす!」



どちらも、施術は一緒です。中にはいって、目の周りを集中的にマッサージしてくださいと言われたら、同じマッサージを行います。ところが、この呼び込み方法を変えてもらっただけで、お客様の入店率(キャッチ率)が良くなりました。

それもそのはず、自社の商品(マッサージ)が相手のニーズ(疲れた目を回復させたい)にぴったりはまることを、お客様自身が理解できるからです。目の疲れを取りたいなーと思ってマッサージに行こうと行動を起こす方ももちろんいますが、「ちょっと寄っていくか」という思い付きで入店する人の方が多いということを、店長さんがおっしゃられていました。だったら、「思い付き」を引き出す呼びかけに変えてみたらどうかという、ご提案が功を奏しました。





実際は、メッセージを50位用意して、お客様が来たらそのお客様の属性に合わせて、発する内容を使い分けるオペレーションにしました。

話を元に戻しますが、ターゲットがぼんやりしていると、あふれんばかりの他社の商品の中に、埋もれてしまいます。自社の商品を、いかに、どうやって相手に買ってもらうか? それは

ニーズを明確にして、買ってもらいた相手に伝えるべきメッセージをきっちり届ける

これが、今回お伝えしたいポイントです。

あなたの会社の商品にこの方法、取り込めませんか?