どんどん安くなる戦法

とあるお店のポイントカード。

-------------------------------------------------------
1回1000円の食事で、1つのハンコを押してもらう。
10回目で500円割引券。
20回目でお好きな料理一皿サービス。
30回目で店舗オリジナルプレゼント
-------------------------------------------------------


ん~・・・


じつに魅力がない!



いろいろなお店のポイントカードがあるけれども、こういう魅力のないポイントカードは結構多いですよね。


そもそも、ポイントカードの導入目的はというと、

1、来店促進(顧客囲い込み)
2、優良顧客の選別
3、顧客情報の収集、顧客属性の把握

の3つに大別できます。


中でも1、来店促進の目的は重要です。何回も来てくださるお客様を「優良顧客」とすると、「優良顧客は自社の価値をわかってくれる方なので、もっとたくさんお金を落としてくれるお客様」となりがちです。だから、
「優良顧客には値引きなんてする必要がない」
とアドバイスするコンサルタントの方がいらっしゃるが、私はそうは思わない。

何度も足を運び、繰り返し購入いただく、そういうお客様にこそ、価格メリットを感じてもらう必要がないだでしょうか?


価格が高級感や安心感を与えることもなくはないのですが、どんな商売・商品でも、基本的には安いほうがいいに決まってます。だから、よく来ていただくお客様には、「LTV」で考えるほうがいい。

LTVとは、Life Time Valueの略です。顧客生涯価値と訳し、そのお客様が一生の中で、自社に与える利益の総額のことを表す。大事なことは、1回当たりの利益ではなく、トータルの利益ということです。


優良顧客にこそ安く提供して、価格メリットを感じてもらう。そしてトータルの利益を沢山もたらしてもらう。これが、うまいポイントカードの活用方法だと思う。




過去のコンサルティングで、

1ヶ月に、顧客に年間2回来てもらうことを目標にして、20マスを埋めるポイントカードを発行しているお店があった。

ところが

「半分以上マスがうまるお客様をほとんど見たことがない」

というのが現実の様で、つまり目標とする囲い込みができていないことです。


これを図で表すと、
ポイント1.png
↑クリックすると大きくなるよ

ということになります。予定した利益が、半分しかもたらされないということです。おそらく事前に考えた事業計画通りにいかなくなってしまうことでしょう。


そこで、「だんだん安くなるドキドキ」ポイントカードに変えてもらうと・・・、あらふしぎ、利用回数が増えたのだ。

ポイント2.png
↑クリックすると大きくなるよ

割引することによって、当然その分利益は減ってしまうのだけど、お客様が来なくなってしまうよりは、断然マシですよね。


ということで、今日のまとめはこれ。

「顧客生涯価値、つまりLTVを考えて、ポイントカードを設計しよう」




ちなみに、下の図は私の利用するお店のカード。(店名は写ってないはず)
スーツの折り目がなくならないような、加工だけのカードなんだけど、やるたびに安くなっていってありがたいのである。他でもこの処理をやっているお店が近くにあるのだが、やる度に安くなるので、やっぱりこのポイントカードのお店にもって行ってしまいます

IMG_2934.JPG



↓ポチんと押してください

中小企業診断士 ブログランキングへ

↓こちらももひとつポチんと!
にほんブログ村 士業ブログ 中小企業診断士へ
にほんブログ村